
あり
話題を呼んだ邦画「新聞記者」もう見ましたか?
ラストシーンにスッキリしていない人、多いみたい。
「権力とメディア」「組織と個人」のせめぎ合いを真正面から描いた衝撃の政治エンタテイメント、新聞記者(主演:シムウンギョン/松坂桃李)。
レビューサイトやTwitterでは軒並み大絶賛でしたが
ラストシーン、もやっとしませんでしたか?
このブログにも「新聞記者 ラスト」という検索でたどり着いてくれている人が多いようなので、そういうことですよね。w
私はこの作品にとても満足していますし、素晴らしいものを見せてもらったなと思うのですが
ラストシーンをはじめ、いくつか考えさせられたポイントがあったので、自分の忘備録も兼ねてあらすじのまとめと考察をしてみました。
よろしければお付き合いください。

あり
個人のまとめ・考察なので参考までに…
それ違うんじゃない?というところがあればメッセージいただけると嬉しいです
思いっきりネタバレをしていますので、これから見るよっていう人はこちらの記事から感想やネットの反応をチェックしてね。
※2020年3月6日追記
第43回日本アカデミー賞にて、映画「新聞記者」が最優秀作品賞・最優秀主演男優賞・最優秀女優賞を受賞しました!
本当におめでとうございます。
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新聞記者あらすじ※ネタバレあり※

東都新聞社会部・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、
記者クラブ内の忖度や同調圧力にも屈しない正義感の強い記者。1人の「個」として発信しようとする姿勢は社内でも異端視されていた。
ある夜、社会部に「医療系大学の新設」に関する極秘公文書が匿名ファックスで送られてくる。
認可先は文科省ではなく、内閣府。
表紙には羊の絵が描かれており、その目はなぜか真っ暗に塗りつぶされていた。

「これは内部リークか?それとも誤報を誘発させる罠か?これを送ってきたのは誰か?」
吉岡は真相を突き止めるべく取材を始める。
一方、内閣情報調査室(内調)で働く杉原(松坂桃李)は葛藤していた。
彼は外務省から内閣府に出向したエリート官僚だが、与えられた任務は現政権を維持するための世論コントロールであった。
公安と連携し、文科省トップのスキャンダルを作り、マスコミやSNSを通じて情報を拡散させている。
上司の内閣参事官・多田(田中哲司)は官邸に不都合な事実をもみ消すためには民間人を陥れることもいとわなかった。
妊娠中の妻・奈津美(本田翼)がいる杉原は疑問を抱きながらも、上司からの指示に従っていた。
ある日、杉原の外務省時代の上司・神崎(高橋和也)が杉原に電話をかけてくる。
「杉原、俺たちは一体何を守ってきたんだろうな」
彼はそう言い残しビルの屋上から身を投げてしまう。
神崎は5年前、書類改ざんの不祥事の責任を1人で負わされ、外務省を失脚していた。
独自の取材で神崎に迫っていた吉岡は、神崎の自死にショックを受ける。
実は吉岡の父親は、アメリカと日本の両国で活躍したジャーナリストだったが、政府がらみの不正融資について誤報を出したことで自殺に追い込まれていた。
神崎の遺族と自分の過去の姿を重ねた吉岡は、神崎が自死した理由を知るために取材を続けることを覚悟する。
杉原もまた、尊敬していた神崎の死に疑問を抱き、死に追い込まれるリスクを冒してまで止めたかったプロジェクトが何だったのかを突き止めようとする。
神崎の通夜で偶然出会った吉岡と杉原は互いの目的が一致していることを知り、協力して真相に迫ろうとした。
吉岡は神崎の自宅を訪ね、神崎の妻に匿名FAXとともに届いた羊の絵を見せる。妻はそれを見て神崎が昔娘のために描いた羊とそっくりであることを吉岡に伝え、信頼して吉岡を神崎の書斎に案内し、机の鍵を託した。
神崎の机の中には送られてきた資料と同じものと、「DUGWAY SHEEP INCIDENTS」という洋書が入っていた。
DUGWAYとは1968年にアメリカで行われた化学兵器・生物兵器に関する実験施設で起きた羊の大量死事件。
吉岡にこの洋書を見せられた杉原は「内閣府が生物兵器の設備を持つ大学を作ろうとしている」という結論に達する。
東都新聞の編集長も加わり、この事実を報道するために3人は極秘の計画を立てる。
杉原は明確な資料を得るために、内閣府勤務の元同僚・都築(高橋努)のデスクから新しい大学新設関係の資料を探し当てた。
証拠と資料が揃ったが、これで誤報と跳ね返されたらどうするという編集長に対し、
杉原は「その時は僕の実名を出してください」と固い決意の表情を浮かべた。
その後、奈津美の出産に立ち会うことができなかった杉原は初めて我が子を抱き、「ごめん」と涙する。
そして、ついに吉岡が書いた大学新設に関する記事が第一面で発行された。
内調(多田)は週刊誌を使い記事を誤報にしようとするが、吉岡は「続報として杉原の名前を出します」といい、杉原の元へ向かった。
「お前じゃないよな。外務省に戻り、外国に駐在しろ。持っている情報は全て忘れろ」と多田に追い詰められる杉原。
「この国の民主主義は形だけでいいんだ」という多田の言葉が杉原を苦しめる。
大手新聞が東都新聞の後を追っているという良いニュースを聞いた吉岡は多田の警告にも惑わされず、気丈に立ち向かおうとする。
しかし、吉岡が見つけた杉原の姿はげっそりとやつれ、先ほどまでとは打って変わっていた。
名前を呼ぶ吉岡に対し、杉原の唇は力なく動き、その声は届かない。
吉岡が杉原の表情に驚愕するところでこの物語は終わりを迎える。
ラストシーンの杉原(松坂桃李)は何て言ってたの?

ラストシーンの松坂桃李さんのやつれた姿、死んだ目、表情の演技は素晴らしかったですね。
最後、吉岡の呼びかけに対して杉原は短く唇を動かしますが、一体なんと言っていたのでしょうか?
この終わり方の演出をするということは、我々視聴者に向けて
「今、あなたに問います。ここから先を考えてください」というメッセージなのだと思います。
杉原が何と言っていたのかは、唇の動きがほとんどないため判断が難しいところですが、
言葉の短さから考えて「ごめん」の一言ではないかな?と推測しています
最後まで闘えなくてごめん、という吉岡への謝罪なのか
国民(視聴者)に向けた謝罪なのか…
個人的には多田が杉原を追い詰めるシーンは確かに恐怖だったのですが、
海外勤務を命じられるというだけで、あそこまで杉原が豹変するのはインパクトに欠けるかなと思ってしまいました。
(神崎のように自殺に追い込むという展開だったら救われなさすぎて、きっと立ち直れないけど)
しかし、吉岡が杉原のもとに走っていくシーンでは希望を見せてくれたのかと思わせつつ
最後には正義を追求したものが追い詰められて苦しみ、疲弊し、ボロボロになる姿を見せられ…
この先、私たちこのままでいいんですかという強烈なラストでしたね。
エンドロールクレジットが画面に映り、主題歌(OAU/Where have you gone)が流れるまで数秒間無音だったのも怖かったです。
映画「新聞記者」気になった演出・シーン
その他のシーンについて気になった部分をメモしています。
考えがまとまったらまた考察を追記します。
- 東都新聞社内のシーンのカメラワークの揺れが気になった。緊張感、不安感、動揺、恐怖の表現かもしれないけど、揺れすぎ…
- 吉岡と杉原が出会い結託してからは2人の表情をまっすぐ捉えていた。
- 前川前事務次官と望月衣塑子さんが出演されていることに全く気がつかなかった
- 前半は実際の事件を元にしている内容でフィクションのように見ていたが、生物兵器の話になってから物語になり、若干拍子抜け。統一感があった方が良かったと思う
- 本田翼ちゃんがルックス、話し方含め可愛すぎる(キュート)ので作品に浮いていたように思う
- 初めて赤ちゃんを抱くシーンは作品のなかで一番涙した
- 多田さん(田中哲司さん)がとにかく怖すぎた。怪演
- 吉岡の同僚・倉持役の岡山天音さんが良かった。ちはやふるに出ていた清水尋也くんだと思っていたら違った
テレビ放映はおそらくできない作品ですが、また必ず観て考えたいと思えた映画でした。
この映画をフィクションとして捉えるか、現実のこととして受け止めるか、今後私たちがどう行動していけばよいのかというその答えは
劇中の言葉にあったように「誰よりも自分を信じ、疑え」ですね。
上映館数が少なかったことが残念ですが、この映画のメッセージが多くの人に届いて欲しいと思います。
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