[st-kaiwa1]アジア初の快挙!アカデミーで4冠を達成したパラサイト半地下の家族の感想です[/st-kaiwa1]
2020年1月に公開された当初から「衝撃の作品」として大きな話題を呼んでいた韓国映画パラサイト。
私も見よう見ようと思っていて少し後回しにしていたうちに、まさかのアカデミー賞受賞で驚きました。
映画好きとしては受賞前に見ておきたかったけど、こればかりはしかたない。
いくら話題で面白いからといってまさかアジア映画が脚本・監督・作品賞を獲るとは思わなかったよね。
[st-kaiwa1]アジアの映画史上、革命的なニュース。感動!おめでとうございます。[/st-kaiwa1]
私はアカデミー賞のニュースから3日後に観ることができましたが、平日でも満席でした。
すでに多くの方が素晴らしい考察をアップされていますが、感想をつらつら書いていきます。
※このページはネタバレを含みます※
目次
パラサイト半地下の家族 作品情報
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パラサイト半地下の家族 あらすじ
全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが…
この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。
半地下に住む貧乏家族が、高台に住む豪邸富豪の家族に寄生(パラサイト)するという、シンプルかつ誰もが興味を惹かれるストーリー。
まず脚本が上手いです。
パラサイト半地下の家族を観た。感想
映画検定を持っているほど映画大好き!という私、それでも韓国映画を映画館で鑑賞するのは実をいうと初めてでした。
(しっかり観たことのある韓国映画といえば、私の頭の中の消しゴム、息もできないくらい…)
字幕だけど大丈夫だろうか?役者さんの演技の機微、細かいニュアンス、私でもちゃんと分かるかな?と上映前に少し感じた不安は杞憂に終わりました。開始5分もすれば半地下の世界にぐいぐい引き込まれていってしまう。
あらすじは予習していたから展開は読めるけど、半地下家族がいったいどうやって富豪家族を取り込んでいくのか?
序盤の展開はドキドキ、ワクワク、時々笑える。
気がつけばすでに長男のギウ、長女のギジョンをはじめ、登場人物がみんな好きになっている。
ギウが家庭教師となる娘のダヘちゃん、可愛い。会ってすぐの家庭教師に警戒心をもたず、そんな速攻なついて好きになっちゃうの!?と突っ込みそうになる。
だけど、ダヘちゃんのママが見ているのは弟のことばかり。そんな弟はおかしなふりをして人の気を引いているだけだとダヘちゃんはうんざりしている。大人のお兄さんが好きなのはその寂しさからかと思うと、ダヘちゃんの純粋さと好奇心に素直なところが可愛らしい。(ギウの友人ミニョクとも絶対に関係あったよね。)
ダヘちゃんを演じている女優のチョンジソさん。15,16歳くらいに見えましたが20歳なんですね。
あどけなく清楚な感じと危険な色気があって素敵な女優さんでした。(Instagram見つけました)
パク社長夫人のヨンギョさん。お金持ちらしい上品さと世間知らずさ、素直な性格の良さがかわいらしかった。
完璧な女性じゃなくて、家事が苦手だったり車の座席に足をのせたりちょっとお行儀悪いところとか、すごくチャーミング。
本当のお金持ちってこうなんだろうな。お金で苦労したことがなく、挫折もなく、息子の誕生日パーティを計画して当日に誘ってもたくさんの友人が集まってくれる。誰からも愛されて人を疑うことなく育ってきた人。
ヨンギョを演じた女優のチョ・ヨジョンさん。上品で透明感があり綺麗でした。
パク社長もイケメンでしたね。パク社長を演じたイ・ソンギュンさん、ちょっと調べてみたら谷原章介さんに似てるという声があって頷いてしまいました。紳士的で優しくて仕事ができて、素晴らしい旦那様。
このご夫婦がもっと絵に描いた金持ちらしく傲慢で嫌味でクソ性格の悪いタイプの人間だったら、全然違う後味になっていたよね。
そうはせずに愛すべき夫婦を描いたのがポン・ジュノ監督の凄いところなんだと思った。
そして半地下の家族の描き方もすごくよかった。
キャンプの夜、半地下家族たちが地下の秘密を見つけて大雨の中自分たちの家に帰って行くシーン。
階段をひたすら下っていき下へ下へと、地下に向かって行く家族の描写が切なく、苦しくなった。
汚水で溢れる便器の蓋を抑えてタバコを吸うギジョンの姿、痺れたよ。
ギジョンといえば、桃を吹くシーンもとても美しかったよね。
酔っ払いに水をかけるスロー映像、雨の降りしきる庭を見つめる半地下家族たちのシーンも素敵だった。
テーマや終わり方を考えると、「これがアカデミー賞?」「終わり方が微妙」「面白くはなかった」という声も結構ありそうだけど
印象的なシーンが散りばめられていて、それらがずっと見た人の心に残ってしまう
という点では、映画の本質的なところによくこだわっていて、素晴らしかったと思う。
半地下家族の住む街並み、洪水のシーンどうやったのかなと思ったら、街ごと全部セットなんだって。
豪邸もいちから全部設計して作られたセット。舞台演出のこだわりが見えます。
弟のダソンが見た幽霊(地下室から上がってくる家政婦の夫)のシーンなんて衝撃映像すぎて。
最近はITやシャイニングあたり見直していたんだけど、それと比較してもかなり怖かった。
地下で1人、信号を送り続ける父。夜中についたり消えたりする照明ランプ。そのことを知らずに暮らすのであろう、また別の富裕家族。
想像するだけでゾッとしますよね。
【考察】パラサイト半地下の家族のポスターに隠された意味は?
パラサイト半地下の家族は鑑賞後の考察も盛り上がっており、動画やネタバレ考察サイトがたくさん出ています。
私も鑑賞前は考察のしがいがありそうな映画だな、と思っていましたが、正直インパクトが強すぎて…考察するやる気はなくなりました。
[st-kaiwa1]衝撃の余韻にひたっていたい。細い考察なんてしないでも、そのまま感じたことを大事にすればいいのでは?[/st-kaiwa1]
ということで、作品中の伏線回収探しや考察はしないでおきます。
気になっていたのが、パラサイト半地下の家族のポスター。
この下の足、なんなんだろう?って観る前からすごく気になってましたが、本編で出てこなかったですよね。
家族が集合している写真(こちらも本編ではこんなシーンはないけど)は、よく観ると半地下家族がみんな裸足だったり、ママの足に便所コオロギが止まっていたりと、家族から漂う「匂い」を演出しているのが分かります。
さらによく見ると、ターニングポイントである水石や、ダソンのテント、お誕生日ケーキなど意味のあるアイテムがしっかりとはいっているのが分かるのですが「じゃあこの足はなんなの?」と余計怖いんですよね。
フランス版のポスターはこんなことになっているし。
[st-kaiwa1]足の主張つよすぎん??[/st-kaiwa1]
この足は一体誰の足なのか、どんな意味があるのか?
私もここだけがどうしても気になって色々調べてみたのですが、どうやら正解はないようです。
集合写真バージョンのポスターを観ると、社長家族は靴を履いており、半地下家族は裸足なのでおそらく半地下側(貧困側)の人間を指しているのでしょう。
肌の白さ、足の細さからみても男性ではなく女性の足のように見えます。
さらに生気なく横たわっていることから、おそらくこれは死体の足…。
と考えると、亡くなってしまった家政婦のムングァン。刺されてしまった妹のギジョン。のどちらか、または両方の足を表しているのだと思います。
[st-kaiwa1]豪邸に潜んでいる仄暗い不気味さをうまく表しているよね[/st-kaiwa1]
このポスター以外に、作中にも細かいネタがいろいろあるそうです。
素晴らしく面白かったとはいえ、思っていたより消耗したし後を引く作品だったので、
すぐに2回目を見に行く元気がないですが、時間をおいてまた見てみようかと思います。
[st-kaiwa1]パラサイト半地下の家族のおすすめ度:★★★★★[/st-kaiwa1]