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2019年6月7日公開 海獣の子供の感想です。
米津玄師の新MV「海の幽霊」が話題先行した映画。
ハイクオリティの映像美と、思わず引き込まれる壮大スケールの音楽に心を奪われ
その世界が数日間頭から離れず、気がついたら映画館に足が向かっていました。
米津玄師さんから生まれるメロディや歌詞、その世界観は本当に中毒性がありますよね。
一部SNSでは「つまらない」「難しすぎてよく分からない」と言われている海獣の子供
実際はどうなんでしょうか?
できるだけネタバレをせずに感想をまとめてみました。
また、「子供と一緒に見れる映画なの?」と疑問を持っている方にも親目線での感想をお伝えします。
目次
映画「海獣の子供」あらすじ
自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は夏休みの初日に部活のチームメイトと問題を起こしてしまう。
母親と距離を置いている琉花は、長い夏休みの間、学校でも家でも自らの場所を失うことに。
そんな時に父親の働いている水族館へ足を運び、目の前で魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年「海」とその兄「空」と出会う。
琉花の父は言う。「彼らは、ジュゴンに育てられたんだ」
琉花は彼らに導かれるようにそれまで見たことのない不思議な世界に触れていく。
海と空はどこからきて、どこへ行くのか。
琉花が触れた生命誕生の物語。
原作は漫画。作者・五十嵐大介さんとは?
「海獣の子供」の原作は全5巻の同名漫画です。
小学館の漫画雑誌「IKKI」に2006年〜2011年の間連載されていました。
私は映画を見たあとに購入、イッキ読みしました
色づかいがとっても綺麗な本です。
これまで耳にしたことがない作品だったので、最近話題の漫画だったのかな?と思ったのですが、8年前に連載が終わっていたのは意外でした。映画化の構想から公開まで5年の年月がかかっているんですね。
作者は五十嵐大介さん。
原作者・五十嵐大介、“幸福感”に包まれながら描いた『海獣の子供』誕生&創作秘話を明かすhttps://t.co/cfbUXUzkXQ@kaiju_no_kodomo #海獣の子供 #五十嵐大介 #リトル・フォレスト #米津玄師 pic.twitter.com/pt7kzG9AIi
— otocoto(オトコト) (@otocoto) 2019年6月6日
五十嵐さんは多摩美術大学絵画学科卒業。
文化メディア芸術祭で優秀賞を2度受賞されており、高い画力と繊細な描写がカリスマ的人気の美術系漫画家です。
あの浦沢直樹さんに世界一絵が上手い漫画家と言われていたそうですよ。
五十嵐大介さんの作品には今回初めて触れたのですが、モノクロの漫画なのに気がつけば光や色を感じられて、その風景にまるで自分がいるかのような、不思議な読後感を与えてくれる漫画でした。
この作品から映画を作りたい、音楽をつくりたいというインスピレーションが生まれるのは必然、ですね。
映画「海獣の子供」ネタバレなしのざっくりとした感想
映画鑑賞時、漫画原作は未読でしたが米津玄師さんのMVを繰り返し見ていたので、だいたいのストーリーと見所のシーン、世界観は理解したつもりで行きました。
前半は主人公琉花の複雑な心情や日常の描写が流れ、不思議な少年と出会い、不思議な世界に迷い込んでいく…という、どこか「ジブリの世界」のような、爽やかさとファンタジー・これから何が起こるのだろうというドキドキ感が溢れています。
(以下・心の声)
・絵、色もコントラストも綺麗だなあ…
・カメラワークというのだろうか、風景の写し方や臨場感・躍動感がすごい…
・芦田愛菜ちゃん、声優も演技うまい!
・あっ、江ノ島。この風景知ってる!すごい、忠実!
・魚が見たいな…今度は水族館か綺麗な海に行こう…
という感じで半ば見惚れつつぽーっと見ていたのですが、
中盤の展開から気がついたらあれっ?いま、私は何をみているの?
という感じでどんどん置いて行かれました。笑
感想を残すために、手元でメモをとっていたのですが途中から何も書けなかったほど。
ストーリーがつまらなくて頭に入ってこない、見るのが退屈ということではなく。
琉花が不思議な生命誕生の祭りに招待されたように、私も別の世界へ、いや、世界なんてスケールではなく宇宙の裏、そのまた裏。胎内記憶を呼び起こされているような。光の届かない無限の暗闇で生きる深海魚たちの神秘、星々の誕生、神話の世界
そんな場所に連れて行かれようとしているけど、到底行くことができず、取り残されてしまうような感覚
何を言っているのか分からないと思いますが、
私も何を言っているのかわかりません。
こういってしまうと原作ファンの方には怒られてしまうかもしれませんが、ざっくりとした印象としては
「ジブリ・エヴァンゲリオン(まごころを君に)・まどマギ最終回」を混ぜて見たような…
この説明で分かるor好きな人には、おすすめしても問題ないかと思います。
それから、
が好きな人には大丈夫でしょう。
(ネタバレにはなっていないです。念の為。)
感想としてまとめると、面白い・つまらないではなく
ただ、ただ、圧倒
映像美と音が素晴らしく、映画館で鑑賞して良かったと思います
ちなみに鑑賞している間あれだけ飲み込まれそうになっていたのに、
映画をみて二日経った今、びっくりするほど余韻が残っていまません。(いい意味でです)
映画を見た後って数日間内容をひきずったりすることもあるんですが、海獣の子供はまるで熱にうなされた時に見る夢のように、
見終わったらなんだかスッキリしたような感覚があるんですよね。例えていうと、心がデトックスされたような感じがあります。
面白いのか、つまらないのかという極端な結論でいうと
エンタメ重視で期待して観るとつまらない
という感想があつまりがちなのは仕方ないかな…
原作を読んでから観た方がいい?
映画のストーリーに重点を置いてみると、ハッキリいってかなり難解です。
私は鑑賞後に原作を読んでみたのですが、漫画でも完全には理解できていないままです。笑
抽象的なイメージはありますが、言語化して説明しろと言われるとムズカシイ。
「世界観と音楽を楽しみたい」「米津玄師さんの音楽から気になった」という人であれば、未読でも充分
むしろ、原作未読で何も考えずに、浴びるように見た方が世界を体感できるのではないでしょうか
映画鑑賞後に原作を読んでみたところ、映画ではだいぶ省略されている部分もあったので
「あのキャラクターの登場にはこんな意味があったんだ」
「こんな伏線があったんだ」
と腑に落ちてモヤモヤが解消されるポイントもあります。
私の場合は、映画鑑賞後に原作、という流れにしておいて良かったかなと思います。
主題歌「海の幽霊」の歌詞の中にもある、大切なことは言葉にできないという心構えがあれば原作未読でも大丈夫
ドンデン返しやサプライズがあるような、ミステリー系ではないので、ストーリーが楽しめるか心配な人は原作で予習しておいても良いと思います。
漫画を読んだら映画も絶対観たくなるはず。
映画「海獣の子供」子供でも見れる?
映画の予告CMがとても魅力的に作られているので、子供が見たがっている!という親御さんの声も多いみたいです。
「かいじゅうのこども」「うみのゆうれい」というキーワードは子供向けのようにも思えちゃいますし
米津玄師さんは幅広い層に人気ですしね。
我が家の4歳の息子も「海の幽霊」のMVを見てすっかりハマってしまい、歌を口ずさんだり、「うみのゆうれいだぞー!」「かいじゅうのこどもがきたぞぉー!」とオリジナルの遊びに展開されていました。笑
実際、私は大人1人で鑑賞してきたのですが、結論、幼稚園児にはかなりきついと思います。
もし、海獣の子供でお子さんの映画デビューを考えているママ友がいたらちょっと止めちゃうかも。。
(うちの4歳は仮面ライダーの映画を最後まで見るのでやっと)
「崖の上のポニョ」や「風の谷のナウシカ」あたりを最後まで見れる小学生くらいのお子さんなら大丈夫かな…
むしろ、大人が観てあれこれ難しく考察するより、子供の感性でどう受け止めるかを聞いてみたい気もしますが
ジブリ映画や君の名は。のようなイメージで行くと絶対におもてたんとちがう!となりますので、悪しからず。
「海獣の子供」をこれから見る人へ
好みや感想が別れそうな映画だということは分かっていただけたかと思いますが、
もし小難しい神話やSFやスピリチュアル系に普段あまり触れていない方であれば
映像と音を浴びるように見た方が楽しめるということをお伝えしておきます。
難解なものがお好きな方であれば、メッセージ性や伏線を考察するのも楽しいですけどね。
私も今回ここにまとめながら、あれってこういうことかな?など分からないなりに自分の答えが出てきたので、
「ネタバレあり考察編」の記事もまとめてみました。
映画を観た後でモヤモヤしているという人は読んでみてね。
【映画】海獣の子供ネタバレあり考察!ラストシーンの意味は?
米津玄師さんのMVから映像・音楽が気になったら、絶対に映画館で見た方が良いです!